【山口県】宇部興産専用道路は約32kmと私道として長さ日本一

【山口県】宇部興産専用道路は約32kmと私道として長さ日本一

高速道路に負けない幅員、トンネル、全長1kmを超える橋を有する宇部興産(うべこうさん)専用道路。膨大なセメント材料の輸送に耐え、日本の産業を半世紀以上支えています。

 

宇部興産専用道路はセメント工場や港へ荷物を運ぶために造られた市道

宇部興産専用道路は、美祢市伊佐(みねしいさ)からいったん東に進んで南下。中国自動車道としばらく並走した後、山あいや住宅地のそばを通過し、山陽新幹線をまたいで宇部市の市街地に入ります。

海岸近くに出たら厚東川(ことうがわ)河口にかかる興産大橋(こうさんおおはし)を渡り、小串(おぐし)地区に集中する工場に入るルートです。伊佐セメント工場で製造されるセメントの半製品(クリンカー)や伊佐鉱山で採取される石灰石を宇部のセメント工場や港へ、逆に宇部港に荷揚げされたセメント製造用の石灰などを伊佐の工場にそれぞれ輸送します。

1968(昭和43)年から順次部分供用され、1982(昭和57)年の興産大橋(全長1020m)の完成をもって全線開通しました。大半が片側2車線で、高速道にも引けをとりません。設計施工・建材製造の全てを、宇部興産株式会社とグループ企業でまかないました


 

宇部興産専用道路は県道山口宇部線(宇部湾岸線)の一部として山口県が購入

もともとクリンカーなどの輸送は、国鉄美祢線の貨物列車を利用していました。しかし昭和30年代に入りセメント需要が急増する中、列車貨物輸送では十分対応できなくなり、安定輸送に支障が出始めました。

そこで沿道の私有地を買収するなどして自前で道路を建設することになりました。全通後、宇部市の一部区間1.5kmについては山口県が4車線のうち片側2車線を購入。以降、車線を完全分断したうえで県道山口宇部線(宇部湾岸線)の一部として国道190号を結ぶアクセス道に使用しています。

地方公共団体が企業所有の道路を購入したのは全国でも珍しく、山口県にとってはアクセス道を新設した場合に比べ建設費や工事期間が大幅に圧縮できるメリットがありました。

 

宇部興産専用道路は、日本の公道では走れない超大型車両の通行が可能

宇部興産専用道路は一般の車両は通行できませんが、私道であることから道路交通法などの適用を受けません。このため日本の公道では走れない、超大型車両の通行が可能です。
輸送の主役は、公道で走行が認められているフルトレーラーの長さの2倍近い、全長30mに及ぶダブルストレーラー。2両編成で積載量は80tないし88tを誇ります。公道を走行できるダンプカーは大型でも10t積み程度のため効率よく輸送でき、その分環境への負荷が低減できます。

通常のナンバープレートが付いていない水色の巨大なボディーが1日に30台、美祢~宇部を10往復します。1日に運ぶクリンカーは1.2万t、石灰石は1.4万tに上ります。それでも輸送量は、ピーク時の1990年代後半に比べればやや減少傾向にあるといいます。

輸送に関わる乗務員は80人。通常の運転免許だけでなく社内の講習会を受講してライセンスを取ることが義務付けられています
社内ルールは道路交通法以上に厳しく、時速70km以上は違反となります。車間距離を一定にとることトンネル内点灯など細かくルールが決められ、違反によってはライセンス取り消し処分もあります。

特にスピード違反には厳しいのです。
ダブルストレーラーは自重だけで40t、荷を積んだら120t以上になるため、沿線住宅への騒音の心配が大きいからです。

 

宇部興産専用道路はイベントや映画のロケ、自転車競技に使用された

私道だけに、所有する宇部興産株式会社が認めればさまざまな使い方が可能で、これまでも映画やテレビドラマのロケなどに使われました

1994(平成6)年に開催された広島アジア競技大会では、北部分の船木(ふなき)ICから伊佐トンネル南口までの12kmが自転車競技に使用されました。
官民でつくる宇部・美祢・山陽小野田(さんようおのだ)産業観光推進協議会は、2007(平成19)年度から美祢、宇部市のセメント産業の現場を巡るバスツアー「セメントの道」を始めました
鉱山見学ももちろんですが、普段は立ち入ることができない宇部興産専用道路をバスで走れることも、貴重な体験として人気を集めています。

 

都市地図山口県 宇部・山陽小野田市

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山口のトリセツ

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県別マップル 山口県道路地図

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分県地図 山口県

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ライトマップル 山口県道路地図

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