【京都府】比叡山・鞍馬山の信仰と大文字山の伝統~京都盆地を取り囲む名山~

【京都府】比叡山・鞍馬山の信仰と大文字山の伝統~京都盆地を取り囲む名山~

千年の都を見守り続けた比叡山や鞍馬山(くらまやま)には、今も多くの自然が残されています。
ここでは、そんな名山に伝わる逸話と地形的な特徴を紹介します。


比叡山は延暦寺建立以来の霊山

京都盆地の三方を囲む東山・西山・北山のうち、東山の主峰となるのが比叡山です。

比叡山は、京都市左京区と滋賀県大津市にまたがり、大比叡(848m)と四明岳(839m)の2峰からなります。788年に伝教大師最澄(さいちょう)が延暦寺を建立して以来、霊山として信仰を集めてきました。

延暦寺横川中堂

比叡山の豊かな自然

古くから保護されてきた寺域であるため、自然環境は良好です。山内にはスギやヒノキなどの針葉樹が豊かに生い茂り、多種多様な鳥類も棲息しています。1930年には寺院一帯の約830ha(東京ドーム180個分相当)が「比叡山鳥類繁殖地」として天然記念物に指定され、現在でも山頂付近の沢地ではオオルリやヤブサメなどの野鳥を見ることができます。


鞍馬山は比叡山と並ぶ霊山

比叡山と同じく霊山として崇(あが)められているのが、京都盆地の北に位置する鞍馬山(584m)です。

この山は海底火山の隆起によって約2億5000万年前に誕生したと考えられており、麓には東に鞍馬川、西に貴船川(きふねがわ)が流れています。

鞍馬山の伝説と景観

650万年前に天狗の総帥である護法魔王尊(ごほうまおうそん)が金星から降り立ったという伝説が残り、尊天信仰の中心になったのが鞍馬寺。この鞍馬寺は牛若丸(源義経)が修行をした地としても有名で、770年の開創以来多くの修行僧が鞍馬山を目指し、その信仰は皇族や公家、武家、町民の間にも広がっていきました。

山の中腹にある本殿金堂から奥の院にかけての道は現在もほぼ無舗装で、木の根が地面を這う神秘的な光景が広がっています。これは地盤が固く、木の根が地中深くまで入り込めないために生まれた、鞍馬山の独特の景観です。

鞍馬山仁王門

鞍馬山で発見された生き物

また山に棲息するニシキマイマイモリアオガエルなどは、鞍馬で最初に発見された生き物とされます。このことからも鞍馬山の自然の豊かさをうかがい知ることができます。


大文字山と「五山の送り火」

左京区の大文字山(如意ヶ嶽・465m)は、京都の伝統行事「五山の送り火」が行われる山として知られます。

この「大」の字は計75の火床で表され、一画目が80m、二画目が160m、三画目が120mとまさに桁違いの“大きさ”です。送り火の由来や起源は不詳ですが、1665年に刊行された『扶桑京華志(ふそうけいかし)』に記述があり、江戸時代前期には行われていたようです。

京都の景観を守る市の政策

また山腹の火床からは京都の町の大パノラマが広がり、その眺望は抜群。京都市の景観政策には「建築物等は大文字山から見下ろすときの景観を阻害してはならない」という文言があります。こうした市の取り組みもあって観光都市・京都は守られ続けているのです。


京都府にある唯一の火山

福知山市と兵庫県朝来市(あさごし)の境にある田倉山(たくらやま)は標高349.7m。きれいな円錐形をしていることから宝山とも呼ばれ、京都府唯一の火山でもあります。

麓に広がる夜久野高原(やくのこうげん)は噴火の際、流れ出た溶岩が冷え固まってできあがった溶岩台地で、玄武岩が基岩となっています。これまでに3回以上の大噴火があったとされ、流れ出した溶岩には「小倉溶岩」「衣摺(きぬずり)溶岩」「田倉山溶岩」の名がつけられています。

国土地理院標準地図を元に作成
等高線からも円錐形であることがわかる田倉山。



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