【東京都】現代の東京の礎となった都市計画とは?関東大震災による壊滅からの復興と理想都市の形成

【東京都】現代の東京の礎となった都市計画とは?関東大震災による壊滅からの復興と理想都市の形成

世界屈指の大都市「東京」の現在の骨格を作ったのは、関東大震災と東京大空襲がもたらした破壊と、そこからの復興を期した理想的都市計画でした。

 

関東大震災後の復興事業によって生まれ変わった東京

東京は、大正12(1923)年9月1日に発生した関東大震災によって壊滅的な打撃を受けました。3日間続いた火災により、東京市域の42%が焼失。江戸の遺構の上に無秩序に広がっていた都心部と下町の多くが灰燼に帰しました。

その復興事業を指揮したのは、「都市計画の父」とも呼ばれる後藤新平です。直前まで東京市長を務めていた後藤は、震災直後に組閣された内閣で内務大臣に就任し、帝都復興院を設立して、自ら総裁を兼務して復興計画の立案に携わりました。

 

都市計画の父・後藤新平が築いた理想都市が現在の東京の骨格に

後藤は、「理想的帝都建設のため絶好の機会」と語り、帝都復興計画案において、復旧ではなく根本的で理想的な都市改造を目指して、国家予算の2倍もの事業費を計上しました。

これは予算会議などを経て4分の1に縮小され、事業内容も大幅に縮小されたものの、このときに整備された道路や橋梁、公園などは、現在の東京の街の骨格となっています。

現存する帝都復興計画案の成果

現在の東京に残る事業の成果としては、まず道路があげられます。東西の幹線の大正通り(現・靖国通り)、南北の幹線の昭和通りのほか、日比谷通りなど、22の幹線道路が作られ、歩道・車道の分離も、車道の舗装も進みました。

また、区画整理が進められ、各所に公園が整備されたほか、懸案であった日本橋魚河岸の築地移転も実現しています。


東京大空襲後には東京戦災復興都市計画がスタート

しかし、東京は震災から20年余りで再び都市機能を大幅に失うことになります。米軍による首都爆撃です。特に昭和20(1945)年3月10日の東京大空襲では、12万人以上の死傷者を出し、その後、数回の大空襲で東京は焼け野原となりました。

終戦後の昭和20(1945)年11月、政府は戦災復興院を設置。水準の高い都市づくりの理念と意欲が示された「戦災地復興計画基本方針」を決定し、これを受けて東京都は翌年、「東京戦災復興都市計画」を決定して、戦災復興に着手しました。

東京戦災復興都市計画の方針

基本方針では、街路・緑地・港湾などの整備について、具体的な方針が示されました。街路については、将来の自動車交通への適応とともに、防災、保健、美観に資することをめざし、大都市の主要幹線は幅員50m以上、中小都市では幅員36m以上とすることなどが指示されました。

緑地についても、市街地面積の1割以上とし、市街地外周に緑地帯(グリーンベルト)を設けることなどが示され、その内容は理想的で高水準なものでした。

 

出典:国土交通省『平成12年建設白書』(https://www.mlit.go.jp/hakusyo/kensetu/h12_2/h12/html/C1Z01000.htm)を元に作成

昭和14(1939)年の東京緑地計画の区域。東京府から、神奈川、埼玉、千葉、茨城、山梨の各県にわたる広範で広大な緑地計画を決定していました。

 

東京の高度成長を支えた戦災復興都市計画のインフラ整備

しかしその後、国も地方も予算確保が困難となり、また、戦災による資材・人材の不足、GHQからの反対やドッジ・ライン(GHQ経済顧問の財政金融引き締め政策)による緊縮財政の影響を受け、復興計画は変更・縮小を余儀なくされました。

当初計画より縮小されたとはいえ、戦災復興事業は近世に建設された日本の都市形態を一新し、戦後の高度成長を支える中心市街地のインフラを造り上げました。このときに整備されたインフラが、現代東京の都市機能の基礎となっています。

 

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