【京都府】京都市営地下鉄の歴史と延伸計画~路線がなかなか延伸できないのはなぜ?

【京都府】京都市営地下鉄の歴史と延伸計画~路線がなかなか延伸できないのはなぜ?

1960〜70年代、市電に代わる新たな中心部の交通網として誕生した京都市営地下鉄。
しかし、拡張工事には京都ならではの困難が待っていました。

 

京都市営地下鉄の歴史

昭和40年代初頭、モータリゼーションによる道路交通量の増加で渋滞や京都市電の運行遅延が頻繁に起こっていました。市電は利用者減少と赤字を解消できなかったため、新たに京都市営地下鉄が計画されました。

建設工事は1974年からはじまりました。これに合わせて市営バス路線の拡大も進められ、工事開始から約6年後に京都市営地下鉄は開通します。

ちなみに、京都市営地下鉄の条例上の名称は「京都市高速鉄道」。2008年までは京都市や京阪電気鉄道などが出資する第三セクターの京都高速鉄道が路線や施設を所有し、京都市交通局に貸し出していました。
しかし、京都市が全線を直営することとなり、京都高速鉄道は解散。名称を若干変更して受継いだ形となっています。

 

京都市営地下鉄は京都市内の主要交通手段

開業初期の烏丸(からすま)線は北大路(きたおおじ)〜京都の約6.6㎞でしたが、1988年には竹田駅までの路線開設と近鉄京都線の直通が実現。

1990年には北大路〜北山間が開通しました。さらに1997年には、北山〜国際会館の路線と、醍醐(だいご)〜二条の約12.7㎞をつなぐ東西線が開通しました。

その後も路線の延伸が続き、西京区を除いた京都市全域を走る主要交通手段となっています。

 

京都市営地下鉄の延伸計画

現在の東西線は六地蔵(ろくじぞう)~太秦天神川(うずまさてんじんがわ)で運行され、烏丸線は竹田~国際会館を結びます。いずれの路線も拡張が計画されています。東西線は太秦天神川駅から上桂(かみかつら)や洛西ニュータウン周辺を経由し、JR長岡京駅まで延伸予定です。

一方の烏丸線は竹田駅から大手筋を通り、横大路方面につなげるという計画です。これらの案は近畿地方交通審議会で答申されており、さらには国際会館と岩倉をつなげる構想もかつて存在しました。

 

京都市営地下鉄延伸計画が難航する理由

しかし、こうした延伸計画はまだ実行されていません。京都市交通局の財政難が最大の理由ですが、もうひとつは「遺跡」です。

地面を掘ると必ずといっていいほど遺跡が発見される京都市内では、学術調査が終わるまで工事を進められません。貴重な遺跡ともなれば、保存方法をめぐって多くの意見が出され、決定するまで時間がかかるわけです。

実際、烏丸線ができる前の遺跡調査において、烏丸通の出水~丸太町間で旧二条城の石垣や堀が発見されました。

開業前であっても文化財保護法に基づいた埋蔵文化財発掘調査が義務づけられ、経費と期間が増大しています。なかなか計画が進まないのは、京都ならではの理由もあるのです。

国土地理院標準地図を元に作成

東西線の延伸計画は財政難のために40年以上も実現していません。とくに洛西ニュータウンの交通網をめぐっては、京都市長選挙の立候補者がそれぞれにマニュフェストを発表するなどして、たびたび議論となっています。

 

幻のLRT構想

平成になって二酸化酸素排出量の削減やバリアフリー化の要請がなされるようになると、京都市は地下鉄やバスに加え、新しい公共交通システムの検討をはじめました。

そこで注目されたのが、LRT(おもに専用軌道を走るライトレール)構想です。複数の路線が検討されたものの、結局は事業費がネックとなり、沿線住民の反対などもあって頓挫したままになっています。

 

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