【海外】ロシア経済の鍵をにぎる地下資源~世界情勢に揺れるも安泰 !?~

【海外】ロシア経済の鍵をにぎる地下資源~世界情勢に揺れるも安泰 !?~

ロシアは広大な国土に眠る豊富な地下資源を経済の大黒柱としています 。世界有数の産出量を誇る石油・天然ガスに加え、パラジウムやレアメタルといった戦略的鉱物資源も豊富で、世界経済に大きな影響力を保持しています

 

資源による近代化と経済成長

鉄と石炭は近代工業の根幹。ロシアは世界有数の石炭産出国で、ソ連解体後の混乱を抜け出し、世界市場へのアクセスが軌道に乗った2020年前後には過去最高の生産量を誇りました。

20世紀初頭、世界最大の油田はカスピ海沿岸のバクー(現在はアゼルバイジャン領)で、世界の石油の半分以上をロシア(ソ連)が生産していました。
その後、主要な採掘地はヴォルガ・ウラル地域(通称第2のバクー)、西シベリア(第3のバクー)に移りましたが、現在も世界3位にあたる年間5億トン以上を産出しています。
また、ロシアは世界最大の天然ガス埋蔵量を誇り、2000年代初頭には世界の天然ガスの20%以上を生産していました。
シェール革命などの結果、米国に抜かれた現在も世界2位の天然ガス生産国です。

 

石油と天然ガスによる復活

西ヨーロッパ向けの石油・天然ガス輸出はソ連時代に始まり、政治体制の違いを超えて拡大してきました。
ソ連解体後の1990年代には、民営化の過程で新興財閥(オリガルヒ)が資源利権を手にして影響力を強めましたが、原油価格は低迷し国家財政は不安定でした。
2000年代に入り原油価格が上昇すると、資源収入はロシア経済立て直しの原動力となり、同時に国家が資源部門への統制を強めることでプーチン体制の基盤が固められていきました。
しかしウクライナ侵攻に対する経済制裁で、その構図が大きく変わり、ロシアは東方(アジア方面)に販路を求めざるを得なくなりました。
ロシアの化石燃料輸送は、原油ではパイプラインに加えバルト海・黒海・極東港からの海上輸送が広く利用されます。一方、天然ガスは大部分が欧州向けパイプラインに依存してきました。ウクライナ侵攻開始後の欧州による制裁を受け、パイプラインで運ぶ他はない気体ガスは販路に窮することとなりました。

 

豊富な非鉄金属・貴金属

広大な国土を有すロシアは鉱物資源の宝庫で、クルスク磁気異常に代表される鉄鉱石埋蔵量は世界第3位。ソ連時代から鉄鋼生産は経済発展の要と見なされ、中心地であるウラル地域以外にも多くの生産拠点があります。
輸出や輸送が困難な状況はエネルギー資源と共通しますが、鉄鋼産業は外貨獲得の手段だけでなく国内需要が大きいのです。
脱炭素の潮流は化石燃料の経済的・政治的な重要性を低下させたと同時に、新たな需要を生み出しました。
ロシアはパラジウムの世界最大級の生産国で、世界供給の約4割を占めます。ニッケル、コバルト、タングステン、バナジウムの供給国としても有力。これらのレアメタルは生産国が少数に限られ、供給が偏在していることから、世界経済や国際政治に与える影響は小さくありません

 

戦略的に重要な鉱物

ロシアは多様な重要鉱物資源を有します。リチウムやニオブなどのいわゆるレアメタル、レアアースは戦略物資と位置付けられ、将来の開発が期待されています。一方、ニッケルやパラジウム、銅、チタンなどの非鉄金属でも世界有数の生産国であり、金やダイヤモンド、ウランといった資源も重要な輸出品です。
伝統的な鉱業の中心はウラルでしたが、現在は北極圏のノリリスク(ニッケル、パラジウム)やサハ共和国のトムトール鉱床(レアアース)、バイカル湖東方のウドカン鉱床(銅)など、新たな資源拠点の開発が進みます。
レアアースは埋蔵量で中国などに次ぐ世界4位の規模とされますが、開発に必要なインフラの整備などは立ち遅れており、生産体制の構築は途上にあります。

 

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