【静岡県】相良油田は太平洋岸で唯一「琥珀色の宝水」が採れる場所

【静岡県】相良油田は太平洋岸で唯一「琥珀色の宝水」が採れる場所

中東からの原油供給が大幅に減少し、エネルギー問題が取りざたされる昨今。政府は中東の原油依存度を下げる方向で調整を進めているようですが、かつて静岡県に高水準な原油が採掘できる油田があったのをご存じですか?

明治初期に発見された相良油田。
太平洋岸では唯一石油が発掘され地域の主要産業になっていました。
公園として整備された今もなお、当時の面影を垣間見ることができます。

 

相良油田は太平洋岸唯一石油が採掘できる石油坑

発電の燃料やガソリン、プラスチックの原料など、私たちの生活に欠くことのできない石油は、ほぼ100%海外からの輸入品で賄われていますが、実は静岡県内にも採掘できる場所があることをご存じでしょうか。

それが、牧之原市西部の相良地区にある、太平洋岸唯一の石油坑「相良油田(さがらゆでん)」です。

 

相良油田の歴史

この油田は、1872(明治5)年2月、谷間で「油くさい水が出る」と聞いた元徳川藩士の村上正局(むらかみまさちか)によって発見されました。

同年3月には、静岡学問所の外国人教師エドワード・ウォーレン・クラークにより、その液体が石油であると判定。翌年5月には、手掘りによる採油が始まりました。

1874(明治7)年になると日本石油(現在のENEOS)の前身である長野石炭油会社による日本で初の機械掘りがスタート。最盛期の1884(明治17年)年頃は、従業員約600人、年間で721キロリットルもの石油が産出されていました。

相良油田を有する地層と産出していた石油の品質

相良油田の石油は深さ310m、岩と砂岩などが交互に積み重なる第三紀中新世紀の相良層という地層から採取されていました。非常に軽質で低粘度、ウイスキーやブランデーのような透き通った琥珀色の液体で、精製せずにそのままでも自動車が動くほど高品質だったと言われています。

参考:牧之原市ホームページ

石油坑と機械堀井は1950(昭和25)年に開抗されたもので、深さは310m。泥岩と砂岩が交互に積み重なった岩盤を堀り石油を採掘していました。

 

相良油田採掘停止のその後

そんな相良油田も、産油量の激減や国外からの安い原油の輸入により1955(昭和30)年には採掘停止に。その後、1980(昭和55)年には相良油田石油坑が静岡県指定文化財(天然記念物)となり、現在、その跡地は油田の名残をとどめる「相良油田油井」として、観光と研究用に残されています。

油井では数年に一度、採掘試験が行われており、少し離れた場所にある油田跡を整備した「油田の里公園」で開催されるイベントにあわせて一般に公開され、汲みたての原油からゴミを瀘(こ)した精製前の原油を使い、原動機付自転車などのガソリンエンジンや農業用発電機の始動実演が行われています。油田の里公園の公園内にある「油田資料館」では採掘の様子を知ることができます。

油田の里公園の公園内にある油田資料館

 

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