3府県境を探検①:大阪・兵庫・京都の3府県境は標高730mという高地にある
まず①の3府県境から見てみましょう。京都府、兵庫県の各境界と重なる地点は、府最北端の能勢町にある舩谷山(ふなたにやま)(標高730m)の山頂に近い場所にあります。
尾根筋に設けられた深山(みやま)参道が大阪府と京都府(南丹市)、兵庫県(丹波篠山市)との府境界となっており、さらに3府県境に沿った尾根筋の分岐点になっています。徒歩で到達できるその地点付近には、3府県境を示す小さな案内板と「三国交点」を示す杭があるだけです。
大阪・兵庫・京都の3府県境
国土地理院標準地図を元に作成
大阪府能勢町と京都府南丹市の境界に北摂山系の最高峰深山(標高730m)があります。その南西に位置する舩谷山の山頂近くが3府県境となります。
3府県境を探検②:大阪・京都・奈良の3府県境が交わる「三国境」
②大阪・京都・奈良の3府県境は、枚方市と京都府京田辺市、奈良県生駒市の3つの自治体が交わる点にあたります。旧河内国(大阪)・山城国(京都)・大和国(奈良)の交わる地点なので、「三国境」と呼ばれます。
この3府県境は、徒歩でしか入れない山道にあります。竹が生い茂る山林に三国境を示す案内があるので分け入って進んでいくと、3府県境を記す簡易な案内板が木にくくりつけられていました。ただしこの位置は正確でなく、実際の場所もよくわかっていません。
大阪・京都・奈良の3府県境
国土地理院標準地図を元に作成
京田辺市や生駒市から3府県境を目指す場合、京都府と奈良県の府県境にある笠上神社(京田辺市高船里)から北へ約20分歩けば到着します。
大阪と奈良の府県境にある「酷道」
ちなみに、大阪府東大阪市と奈良県生駒市の府県境は、暗峠(くらがりとうげ)を抜ける国道308号上にあります。暗峠には石畳が残っており、国道の舗装が石畳なのは国内でこの地区だけらしいといわれます。ところが、急な坂道が続き、車がすれ違うことが難しいほどの道幅から一部では「酷道」と呼ばれています。
3府県境を探検③:大阪・和歌山・奈良の3府県境は自然歩道上に存在
③大阪・和歌山・奈良の3府県境は、河内長野市と和歌山県橋本市、奈良県五條市の自治体が交わる点に位置します。その点は、大阪と奈良を結ぶ全長45㎞の長距離自然歩道「ダイヤモンドトレール(ダイトレ)」の途中に発見できました。
南海電鉄高野線の紀見峠駅(橋本市)を始点とした場合、案内に従って河内長野市と橋本市の境に位置する紀見峠へ進みます。そこからダイトレに入り、神福山(じんぷくさん)(標高792m)に向かってひたすら歩きます。杉尾峠を通過し、行者杉に囲まれたお堂が見えてくれば、そこが3府県境です。ただし案内板や杭はありません。
紀見峠駅からダイトレの途中にある3府県境まで、所要時間は約2時間。自然歩道はきちんと整備されているので、誰でも気軽に歩くことができます。
国土地理院標準地図を元に作成
3府県境がある自然歩道「ダイヤモンドトレール」は、金剛葛城山系の稜線に沿って整備されています。この地図内では府県境とほぼ一致します。
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